腹筋ができない3つの原因を理学療法士が解説。誰でも簡単にできる腹筋トレーニングも紹介 | RE:NOW

腹筋ができない3つの原因を理学療法士が解説。誰でも簡単にできる腹筋トレーニングも紹介

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理学療法士・パーソナルトレーナー

鈴木裕子

引き締まったお腹や割れた腹筋は男女問わず憧れるのではないでしょうか。

実際、ダイエットやボディメイクをしたい方にどこが一番気になるか聞くと「お腹」という方が非常に多いです。

ですが、お腹をシェイプアップしたいのに腹筋ができないという方も多くいらっしゃいます。

そんな方に向けて、今回は腹筋ができない原因簡単にできる腹筋トレーニングをご紹介します。これを読んで、苦手な腹筋を克服しましょう。

腹筋ができない原因

腹筋をしようとしても起き上がれないという方や首が痛くなったり、腰が痛くなってしまう方は何が原因なのでしょうか。考えられる3つの原因を解説していきます。

腹直筋が弱い

腹筋といってもお腹周りには腹直筋、腹横筋、腹斜筋といった筋肉があります。

その中でも、お腹の真ん中を縦に走っている筋肉が腹直筋です。これは体を曲げる方向に働く筋肉ですので、この筋肉が弱いと体を起こすことができません。そして、この腹直筋がまさにシックスパックを作る筋肉ですので、お腹を割りたい方はこの腹直筋が働くようにしていく必要があります。その方法は次の項目でご紹介していきます。

背中が硬い

起き上がる腹筋をするには背中を丸める必要があります。

背中にある背骨は頸から腰まで小さい骨がいくつも重なって一列に並んでいますが、これらが一つ一つ動くことで背中を丸めたり、反らしたりという動作ができます。この背骨一つ一つの関節が硬いと背中を丸める事ができずに腹筋ができないという状態になってしまいます。

また、もともと反り腰の人は腰椎と呼ばれる背骨の腰の部分の反りが強く、それによって背中を丸める事が難しく腹筋ができないという状態になっている事が多いです。さらに、首や腰が痛くなってしまうのも背中の硬さが原因である可能性があります。

なぜ背中が丸まらないと腹筋ができないか、テコの原理で考えてみましょう。

起き上がる腹筋の場合、支点が骨盤で作用点が頭です。

テコの原理だと作用点が支点に近い方が小さい力で楽に持ち上がりますよね。なので、できるだけ背中を丸めて頭の位置を骨盤に近づけられると少ない力で起き上がる事ができるのです。そのため、まずは背中の筋肉をほぐして背中を丸めることから始めると良いでしょう。

筋肉をバランスよく使えていない

腹筋ができない人の中には、起き上がろうとすると足が浮いてきてしまうという方も多いのではないでしょうか。足が浮いてきてしまうのは、腹筋が弱いことや背中が硬いことが原因でもありますが、筋肉がバランスよく使えていない事も原因の一つとして考えられます。

多くの場合、腹筋をした際に腸腰筋と呼ばれる股関節を曲げる(足を持ち上げる)筋肉が先に強く働いてしまうことで足が持ち上がり重心が頭側に移動します。その結果、起き上がるためにより強い腹筋の収縮が必要になってしまうのです。それを防ぐためには、腹筋と腸腰筋の働くタイミングやバランスを整えてあげることが必要です。

では、どのようにすると腹筋が上手にできるのでしょうか。次にポイントを解説していきます。

押さえておくべき腹筋のポイント

原因がわかったところで、起き上がる腹筋ができるようになるためのポイントを見ていきましょう。

ポイントは以下の3つ。

・腹筋を鍛える
・背中をほぐす
・筋肉のバランスを整える

腹筋を鍛える

腹筋ができないんだから鍛えられないじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、腹筋にも色々な鍛え方があります。

実際、起き上がる腹筋というのはダイレクトに重力が体にかかり、「起き上がる」という動作に「抵抗」としてかかっています。この重力を取り除いてあげることで、腹筋が弱い段階からでも鍛える事ができるのです。

詳しい方法は記事の後半でご紹介します。

背中をほぐす

背中が硬いことによって背中を丸めることができずに、腹筋ができなくなっているという事をお伝えしました。よって、背中をほぐすことがポイントです。どうやってほぐすかというと、体を捻るようなストレッチをしてみたり、背中を反らしたり丸めたりと意識的に動かす事が大切です。

また、ストレッチポールやフォームローラーといった凝りをほぐすグッズを使うのもおすすめです。ストレッチポールに乗ると背骨だけがポールについている状態になりそれ以外の背中の部分がどこにも触れていない状態が作れるため筋肉の緊張が落ちやすくなります。さらに、ポールで背中の筋肉をほぐすこともできますし、背中をストレッチすることもできます。

反り腰の人は仰向けに寝て、膝を抱えるようにして背中を丸めましょう。また、四つ這いで背中を丸めたり反らしたりするのも背骨の動きを出すのに良い運動です。そうすることで、背骨の可動域が増加し起き上がりやすくなります。

筋肉のバランスを整える

腹筋という動作をする上で、腹筋だけでなく脚の筋肉をはじめ全身の筋肉を使っています。

その中でも、腸腰筋と腹筋のバランスをとっていくことがポイントです。

足を押さえておくと腹筋がしやすくなるという経験された事がある方もいると思います。足を押さえておくことで、足を浮かせる腸腰筋の働きを抑えられるため腹筋が働きやすくなるのです。なので、始めは足を固定もしくは足に重りを乗せて行うのがおすすめです。そして、腹筋に意識を向けられるようになったら徐々に足の重りを無くしていくことで、腹筋と腸腰筋がバランスよく働くようになります。足を固定している時に、ものすごく足に力が入ってしまう方がいます。この状態だと大腿四頭筋や腸腰筋といった筋肉によって状態を起こしていることになってしまいますので、足を固定していたとしても出来るだけ腹筋を意識する事がポイントです。

そうすることで、最終的には足が上がらずに腹筋をする事ができるようになりますのでぜひお試しください。

ここまで腹筋ができるようになるためのポイントを解説してきましが、腹筋ができるようになる事がゴールではありませんよね。腹筋ができるとどのような良いことがあるのでしょうか。

腹筋ができるメリット

「腹筋ができる」ということに憧れがある方も、実際に腹筋ができることでどんなメリットがあるのか知っておくことでモチベーションにつながります。ここでは腹筋ができるメリットをご紹介します。以下の3つです。

・体幹を鍛えることができる
・脂肪燃焼効果によりすっきりとしたお腹になる
・姿勢改善にもつながる

体幹を鍛えることができる

腹筋ができるということは、すなわち体幹が鍛えられるということです。

体幹とは身体の胴体周りのことを言いますが、やはり腹筋ができることによってさらにハイレベルな体幹トレーニングにチャレンジする事ができます。体幹はどんなトレーニングにおいても要となる部分であり、体幹が弱いと身体が安定しないために動きが逃げてしまい、狙ったところを効かせる事ができません。

トレーニングをより効果的なものにするためにも体幹は重要であり、そのためにもぜひ腹筋を克服していきましょう。

脂肪燃焼効果によりすっきりとしたお腹になる

腹筋ができるとお腹周りの筋肉量がアップすることにより代謝が上がります

それにより脂肪燃焼効果が高まりお腹周りがすっきりしてくるでしょう。また、体幹が鍛えられることにより、腹筋以外のトレーニングでの脂肪燃焼効果も高まるため全身のシェイプアップが期待できます。

姿勢改善にもつながる

体幹は体の幹と書きますが、体幹が鍛えられることにより体の軸がしっかりするため姿勢改善につながります。なぜなら、腹筋が強くなることで腹腔内圧(お腹の中の圧)を高める事ができます。そうすると背骨が安定するので、猫背でお腹が潰れてしまっているような人も背筋がピンと伸びて腹筋でその姿勢を支える事ができるのです。

反り腰の人も腹筋ができるようになるということは、腰の反りが改善するということですので、反り腰が減って腰に負担のかからない良い姿勢になるでしょう。

ここからは、初心者でも簡単にできる腹筋のトレーニングをご紹介します。

初心者でも簡単!腹筋トレーニング5選

起き上がる腹筋ができない方でも鍛えられるトレーニングを5つピックアップしました。最後のトレーニングは起き上がる腹筋ができるようになるための練習方法の動画となっていますので、ぜひ試してみてください。

1. 立ち腹筋

立った状態で行う腹筋は誰でも簡単に取り入れられるのでおすすめです。

基本的に肘と膝を近づけることで、身体が曲がり腹筋を収縮させる事ができます。これは、腹筋のポイントでお伝えした重力を取り除いた状態と言えます。寝ている状態では重力が身体を起こすことに対して抵抗として働きますが、立っている状態であれば身体を曲げることはむしろ重力がサポートしてくれる方向に働きます。足を上げる動きに対しては重力が抵抗として働きますが、腹筋は自分の力を入れ加減で調整ができるので、初心者の方でも取り入れやすい運動です。また、背中が硬い方でも、全身運動ですのでうまく全身を使いながら腹筋に効かせる事ができるでしょう。有酸素的な要素もあり脂肪燃焼効果も期待できます

なお、立ち腹筋について更に詳しく知りたい方は以下の記事も参考してください。

 

立ったまま腹筋を鍛える方法!自宅や職場でもラクラク実践できるメニューも紹介

2. 逆腹筋

逆腹筋は体を反らせてから元に戻るという動きで、筋肉を伸ばした状態から縮めることで腹筋を鍛えます。

筋肉には収縮の形態が3つあり、求心性収縮(縮めながら収縮する)、遠心性収縮(伸ばしながら収縮する)、等尺性収縮(長さを変えずに収縮する)の中の求心性収縮と遠心性収縮の両方を使った方法になります。体を反らした時に遠心性収縮が働いており、簡単そうに見えてしっかりと腹筋に負荷がかかっています。

3. 足上げ腹筋

起き上がる腹筋が苦手な方は足上げ腹筋もおすすめです。

動画のように状態を少し起こして骨盤を後ろに倒し、背中を丸めるのがポイントです。足の動きは始めは小さい動きで大丈夫です。骨盤がグラグラ動かないのを確認しながら、そして、お腹に力が入っているのを感じながら足の動きを徐々に大きくしていきましょう。足を伸ばして行うのは、かなり負荷が高くなりますので、膝の角度も少しずつ伸ばしていくようにして負荷を調整していきましょう。

4. バランスボールを使った腹筋

バランスボールをお持ちの方はバランスボールを使って腹筋の練習をするのがおすすめです。

動画のように、バランスボールの弾力や転がりを利用して骨盤を前後左右に動かします。そうすることで、背骨の動きも柔らかくなります。また、バランスボールに座った状態で、おへそを覗き込むようにすることで起き上がる腹筋に近い動きになります。仰向けに寝た状態ではダイレクトに重力が上半身にかかって起き上がれなかったのが、座っている姿勢であれば重力を抵抗として感じにくくなるので腹筋がしやすくなるのです。ぜひ起き上がる腹筋の前段階として取り入れてみてください。

5. 起き上がる腹筋の練習

最後に起き上がる腹筋ができるようになるための練習方法をご紹介します。

こちらの動画のようにまずは反動を使いながら起き上がる感覚を掴みましょう。何度かコロコロ起き上がる中で、徐々に背中の柔軟性も上がり丸めやすくなっていきます。手の位置を変えていくことで反動が使いにくくなると同時に、徐々に重心の位置を頭側にずらしていくことで、腹筋に負荷をかけています。この背中を丸める方法は特に反り腰の方におすすめの方法です。最終的には反動を使わずに起き上がれるように練習してみてください。

まとめ

ここでは腹筋を鍛えたくても起き上がる腹筋ができないという方の原因と解決方法、そして色んなバリエーションでの腹筋運動をご紹介しました。

腹筋ができるようになるとお腹周りがすっきりするだけでなく、体幹が安定したり、姿勢改善にもつながります。ぜひ背中の柔軟性アップ身体の使い方の改善を図りつつ、ご自分に合った方法で楽しく腹筋を鍛えてみてくださいね。

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本記事の執筆者

理学療法士・パーソナルトレーナー

鈴木裕子

理学療法士・パーソナルトレーナー・2児のママ。つくば市の自宅サロンREPAIRでリハビリからボディメイク、産後ケアなどお客様にあったメニューで健康的な身体作りをサポートしています♪

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