糖質制限ダイエットのおすすめ方法を管理栄養士が徹底解説 2022.08.16 ダイエット ダイエット法 管理栄養士・幼児食マイスター kawano 今やダイエットの常識ともいえる「糖質制限」。減量効果を感じやすいこともあり、多くのダイエッターが取り入れてるダイエット方法です。 一方で、極端な糖質制限はデメリットがあります。正しいやり方で体に負担をかけないようにしないと、リバウンドや体の不調につながってしまうかもしれません。 そこで今回、管理栄養士がおすすめの糖質制限ダイエットの方法を紹介します。 糖質制限が痩せる理由 糖質を控えるメリット・デメリット ダイエットを成功させるコツ 食品の糖質量 などについて解説しているので、ぜひ最後まで読んでダイエットに活用してください。 目次 なぜ糖質制限は痩せる?糖質制限ダイエットのメリット極端な糖質制限のデメリット管理栄養士がすすめる糖質制限の方法糖質制限ダイエットを成功させるコツ食材の糖質量一覧まとめ なぜ糖質制限は痩せる? 糖質制限で痩せやすい理由は、体に蓄えられていた糖質・水分・脂肪や筋肉が減るからです。 糖質を制限して体重が減るメカニズムを簡単に説明すると、以下の通りになります。 あなた:糖質が少ない食事を食べる 体:糖質だけで必要なエネルギーが補えない 脳:エネルギー不足を解消したい 体:グリコーゲンや体脂肪、筋肉を分解してエネルギー確保 あなた:体重が減った! まず理解しておきたい点は、糖質が体を動かすためのエネルギー源であることです。糖質を制限すれば、必然とエネルギーが不足した状態になります。 すると体は必要なエネルギーを補うため、肝臓に蓄えている糖質「グリコーゲン」を利用しはじめる。さらにグリコーゲンを使い切ってしまうと、体脂肪や筋肉を分解してエネルギーを補給していきます。 つまり糖質を制限すると、 グリコーゲン 体脂肪 筋肉 が減るため「体重が落ちる=痩せたと感じやすい」状態になるのです。 糖質制限でダイエットするメリットは体重が減りやすいことだけではありません。どのようなメリットがあるのか確認していきましょう。 糖質制限ダイエットのメリット 糖質を制限して痩せるメリットは以下の3つです。 太りにくい体になる 体脂肪が分解されやすい 継続しやすい くわしく解説していきます。 太りにくい体になる 糖質制限のメリットは、インスリンの分泌が抑えられて太りにくい体になることです。 インスリンとは、血液中の糖質が増えてくると分泌されるホルモンのこと。必要のない糖質を体脂肪として溜め込む働きがあります。糖質が多い食事を食べるとインスリンが大量に分泌されるため、太りやすくなるのです。 よって、体脂肪を増やすインスリンの分泌を抑えられる糖質制限ダイエットでは太りにくい体になると考えられます。 体脂肪が分解されやすい 糖質制限は体脂肪が分解されやすくなります。 その理由は、糖質制限によって不足するエネルギーを体脂肪から得るようになるためです。体脂肪を分解すると得られるエネルギー源をケトン体と言います。ケトン体をうまく利用できるようになると、積極的に体脂肪を使ってエネルギーを作りだすようになります。 継続しやすい 糖質制限では、食事の制限が厳しくないので、お米やパン、お菓子などが好きな方を除き継続しやすいです。 糖質制限では食事の糖質量だけを制限し、たんぱく質や脂質である肉や魚、油脂類などは気にせず食べられます。食べる量を確保できるので、我慢している感じも少ないです。 我慢だらけの食事では継続するのは難しいですよね。その点、糖質制限はしっかりと食事を食べられるので、効果を感じるまで継続できます。 糖質制限はダイエットに効果的なメリットが多いです。しかし「糖質どんどん控えちゃお!」と思っている方は気をつけて。糖質は制限しすぎたときのデメリットも重要なポイントになります。 極端な糖質制限のデメリット 極端に糖質を制限した際のデメリットは3つあります。 リバウンドしやすい 脂質を摂りすぎることがある 便秘になりやすい デメリットを理解しておくと正しいやり方で取り組みやすいので、ぜひ参考にしてください。 リバウンドしやすい 糖質を極端に制限するとリバウンドしやすくなります。 理由は簡単なことで、無理やり体重を落としているからです。糖質制限では本来のエネルギー源である糖質を摂らないので、 体にとっては緊急事態の状態。つまり、ケトン体をメインのエネルギー源として利用するのは「普通」ではありません。 極端な糖質制限で体重を減らしてもまた糖質を摂るようになれば、みるみるリバウンドしていくと考えられます。 なお、糖質制限がリバウンドしやすい理由は以下の記事をご覧ください。 糖質制限はなぜリバウンドを繰り返す?原因と対策【トレーナー解説】 脂質を摂りすぎることがある 糖質制限をすすめる食事をみていると「不足したエネルギーを脂質やたんぱく質で補う」ことを奨めているものが多いです。しかし、脂質・たんぱく質の摂り過ぎは肥満とは違う問題が浮かびやすくなります。 例えば、 LDLコレステロールの増加 肝臓や腎臓が疲れてしまう 心疾患のリスクを上げる など、脂質やたんぱく質を分解・排泄するための臓器に負担がかかるのです。 便秘になりやすい 糖質を制限すると便が出にくくなることがあります。 その理由は以下の通りです。 腸内環境が悪くなる可能性がある 食事の量にともない便の量も減ってしまう 糖質制限を行うと、糖質を控える代わりにたんぱく質や脂質を食べる方が多いです。するとたんぱく質や脂質を好む悪玉菌が優位となり、腸内環境が悪化=便が出にくい状態になります。 また、糖質を控えることで食事の量が少なくなれば、必然と便の量も減ります。便の量が少ないと腸の運動がうまくいかず、スムーズに排泄できないのです。 このように糖質を控えすぎたときのデメリットについても把握しておきましょう。そのうえで、上手に糖質を制限するダイエットの方法を紹介していきます。 管理栄養士がすすめる糖質制限の方法 管理栄養士がおすすめする糖質制限の方法はとてもシンプルです。 夕食の主食を我慢する 間食を見直す 患者さんにも指導している内容になるので、糖質制限をやってみたい方はぜひ参考にしてください。 夕食の主食を我慢する ごはんやパンなどの主食を我慢すると簡単に糖質の摂取量を減らせます。とくに夕食の主食を我慢すると糖質をスムーズに制限できるのでおすすめです。 いつも夕食でご飯を茶碗一杯(180g)を食べていた場合、ご飯を我慢するだけで302kcal・糖質67gをカットできます。また夜の食事はエネルギーに変換されにくく、体脂肪に変わりやすいです。そのため、夕食のエネルギーや糖質の量を抑えるとより減量効果を感じるようになります。 しかし、夕食のボリュームが一番多くなる方は多いでしょう。我慢しすぎるとストレスがたまってしまうので、ご飯を我慢する代わりに食事バランスを整える必要があります。 間食を見直す 間食の選び方を変えて糖質を制限していきましょう。糖質や脂質の多いお菓子を食べてしまう方におすすめの方法です。 例えば以下のお菓子は糖質や脂質が多く、日常的に食べるとダイエットは上手くいきません。 ケーキやチョコレート菓子などの洋菓子 あんこたっぷりの和菓子 ポテトチップスなどのスナック菓子 これらを次に挙げる食品に置き換えると糖質制限につながります。 いちごやキウイなど糖質の少ないフルーツ ロカボのお菓子 酢コンブなど海藻のお菓子 噛み応えのある食品を選ぶのも重要なポイントです。 さらに糖質制限ダイエットで成功させるコツを押さえて、理想の体に近づけていきましょう。 糖質制限ダイエットを成功させるコツ 糖質制限ダイエットを成功させるコツは6つあります。 PFCバランスは崩さない 野菜・海藻をしっかり食べる 水分で便秘を防ぐ サプリメントを活用する 食材の糖質量をなんとなくでも把握する 減量したい方には共通して意識してほしいコツなので、ダイエット中の方は要チェックです。 PFCバランスは崩さない 糖質制限中もPFCバランスは崩さないようにしましょう。 PFCバランスとは、三大栄養素であるたんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)の割合のこと。普通の食事ではP:F:C=2:2:6が理想ですが、糖質制限では3:2:5を目安にします。 ご自身のPFCバランスは、摂取エネルギー量と三大栄養素のエネルギー量から計算してみましょう。 摂取エネルギー量(kcal)=目標体重×28kcal P(たんぱく質)とC(炭水化物)・・・1g4kcal F(脂質)・・・1g9kcal 例えば目標体重が50kgであれば、摂取エネルギーは1400kcalです。これをPFCにわけると、P:F:C=420kcal:280kcal:700kcalとなります。 さらに三大栄養素のエネルギー量でそれぞれを計算すれば、たんぱく質105g・脂質30g・炭水化物175g。つまり一食当たりの糖質量は58gほどに抑えたら良いとわかります。 脂質を摂り過ぎたりたんぱく質を摂り過ぎたりとPFCバランスが崩れた場合、内臓に負担がかかることをお伝えしました。健康的に痩せられるよう栄養素のバランスを維持しながら糖質制限に取り組むようにしましょう。 野菜・海藻をしっかり食べる 野菜や海藻をしっかりと食べられるよう意識しましょう。 理由は次の2つです。 糖質制限中に起こりやすい便秘の予防 主食を控えることで生まれる物足りなさの解消 野菜や海藻は食物繊維が豊富です。食物繊維を十分に摂ると、糖質の量が少なくても便の通りが良くなったり満腹感を得やすくなったり、糖質制限ダイエットのデメリットをカバーしてくれます。 水分で便秘を防ぐ 野菜や海藻を食べることに加え、水分をしっかり飲んで便秘を防ぎましょう。 水分が足らないと便が硬くなり、排泄されにくくなります。便がお腹の中にたまると体は不調を感じやすくなるだけでなく、代謝が落ちて痩せにくい体になってしまう可能性も。 お茶や水など砂糖を含まない飲み物で水分を補給することをおすすめします。 サプリメントを活用する 食事でなかなかバランスを整えられないときは、サプリメントを併用するのも1つの方法です。 ダイエット中にバランスの良い食事をすすめるのは、栄養素をバランス良く摂ってほしいから。でも仕事や家事などで忙しいと、思うように食事をとれないこともありますよね。 そういうときはサプリメントで栄養素を補給しても良いのです。いつも食事で頑張ろうとせず、ビタミン剤や栄養ドリンクなども上手に活用してみてください。 食材の糖質量をなんとなくでも把握する 糖質制限ダイエットを成功させたいのであれば、食材の糖質量をなんとなくでも良いので把握しておくと便利です。 糖質が低いように見えて実は多い食品もあり、知らないうちに摂り過ぎていた…なんてケースも少なくありません。それに、頭の中に糖質量が入っていると外食した際もメニューを選びやすくなります。 最後に、糖質量に注目して食品を分類した一覧を紹介します。 食材の糖質量一覧 食材の糖質量を一覧にしました。具体的な数値は覚えなくても良いので、どのような食品が多くてどのような食品は少ないのか、ぜひ確認してみてください。 糖質が多い ⇔ 糖質がほとんどない ・白ご飯 ・パスタ ・マカロニ ・そば ・砂糖 ・はちみつ ・小麦粉 ・食パン ・うどん ・中華めん ・いも類 ・バナナなど多くのフルーツ ・多くの調味料 ・肉 ・魚 ・卵 ・野菜 ・大豆製品 ・きのこ ・海藻 ・ナッツ ・こんにゃく ・いちご ・アボカド まとめ 糖質制限ダイエットについて解説してきました。大切なポイントを復習していきましょう。 ごはんやパン、麺類など主食の量を減らす 間食の糖質は20g未満にする たんぱく質・脂質はきちんととる 野菜や海藻をしっかり食べる 水分をしっかりとる 食材の糖質量をなんとなく覚える リバウンドに気をつける 栄養バランスを整える 糖質制限は体重を短期間で減らしたい方におすすめの方法です。しかし、リバウンドしやすかったり血中脂質が上がりやすかったりと気をつけたい点もあり、厳しい制限は専門家を交えてトライすることをおすすめします。 糖質は体に必要なエネルギー源であり、食べ過ぎなければ太りません。「糖質=悪」と考えて制限するのではなく、エネルギー源として必要な量だけを食べるように意識するだけでも効果はあります。 糖質を上手にコントロールできると太りにくくなるので、ぜひチャレンジしてみたください。 [xyz-ihs snippet=”snippet-view-at-end”] Let’s SHARE!