ファスティングとは?効果とおすすすめの方法を管理栄養士が解説 2022.08.16 ダイエット ダイエット法 ファスティング 管理栄養士・幼児食マイスター kawano ファスティングは「ただ痩せるためだけの方法」だと思っていませんか?実は、減量以外にもさまざまな効果をもたらすことが分かっています。 ただし、正しいやり方を知らないと期待していた効果が得られないかもしれません。そこで今回、ファスティングのやり方や気をつけたいポイントなどを管理栄養士の視点から解説します。 また「長期間のファスティングは耐えられないな・・・」という方におすすめのプチファスティングについても紹介しているので、気になる方はぜひ最後まで読んでみてください。 ファスティングとは ファスティングとは「絶食」や「断食」のことです。いわゆるファスティングダイエットでは、固形の食べ物を食べない代わりに、野菜やフルーツの栄養素が高濃度に詰まったドリンクを飲んで体に必要な栄養を補います。 ファスティングを行うと食事量が減るので、摂取エネルギーも大幅に減少。その結果スムーズに体脂肪が燃焼され、ダイエット効果を短期間で感じられます。 ファスティングの効果はダイエットだけではありません。他にどのようなメリットがあるのでしょうか? ファスティングの4つの効果 ファスティングで期待される効果は次の4つです。 ダイエット デトックス 胃腸の休息 食生活にリセット それぞれ詳しく説明するので、気になる効果がある方は確認してみてください。 ファスティングの効果1.ダイエット ファスティングは短期間でダイエット効果を感じやすいです。 食事をとらないファスティングでは、摂取エネルギー量が極端に減少します。必要なエネルギーは体脂肪やグリコーゲンを分解してつくられるので、体の脂肪量や糖質量が減っていき、体重も落ちていくのです。 よって、ファスティングは 短期間でスッキリしたい 体重を減らしたい 華奢な体を目指したい などの方におすすめのダイエット方法になります。 ファスティングの効果2.デトックス 普段の食事が乱れがちな方であれば、ファスティングによるデトックス効果を感じやすいでしょう。 食事を摂り続けていると腸内に老廃物が残りやすく、しっかり便が出ている方でも、ところどころに消化物が残っています。消化物が腸内に残っていると、必要な栄養素をしっかりと吸収できない・肥満になりやすいなどのデメリットにつながる可能性も少なくありません。 腸内に残っている老廃物の排泄が促すためには、ファスティングによって固形物を摂らない日を設けることが有効です。 ファスティングの効果3.胃腸の休息 ファスティングは胃腸を休息させる良い機会です。 私たちが食事を摂ると、食べ物を消化・吸収するために胃や腸は長い時間かけて働きます。とくにお肉や揚げ物など脂質の多い食事をとっている場合、炭水化物中心の食事に比べて働く時間は倍必要です。 普段から節食や脂質の少ない和食など体を想った食事ができている方はさほど気にする必要はありません。しかし、脂っこい料理が多い方やいつも食べ過ぎてしまう方は、ファスティングを通して胃腸を休ませてあげると良いでしょう。 ファスティングの効果4.食生活のリセット 胃腸の休息とかぶりますが、ファスティングは食生活をリセットする機会にもってこいです。 自分で不摂生なことは分かっているけど、なかなか変えられない食生活に悩んでしまう方は少なくないでしょう。そんなとき、思い切ってファスティングすると乱れていた食生活をリセットできます。 食生活や胃腸の働きをリセットする絶好のタイミングであるファスティング。正しいやり方を知っていただけると、さらに効果を感じやすくなります。 ファスティングのやり方 ファスティングをする際は、次の3つの期間を設けることをおすすめします。 準備期 絶食期 回復期 3つのステップを踏むとファスティングを終えた後のリバウンドや不調を防ぎやすいです。詳しく確認していきましょう。 準備期 ファスティング前は、1~2日ほど節食する準備期を過ごします。肉・魚・脂っこい物を控え、野菜や炭水化物を薄味で食べるよう意識する期間です。 いきなりファスティングをはじめると辛さも強く感じますが、準備期があることで「食べられない」ことへのストレスも感じにくくなります。なお、準備期間におすすめの食事は以下で紹介しているので参考にしてください。 ファスティング準備食の献立6選!OK・NG食材も一覧でチェック 絶食(断食)期 ファスティング本番の絶食期は、目的に合わせて数日行ないます。 胃腸の休息・・・1日 食生活のリセット・・・2~3日 減量・・・4~5日 あくまで目安なので、体調が悪いなど身体に合わない場合はすぐに中断してくださいね。絶食期も水分はしっかりととること、ビタミン剤や酵素ドリンクなどを併用して栄養不足に気をつけるようにしましょう。 回復期 絶食期から通常の食事へと戻す回復期も設けます。消化活動を抑えていた胃腸の働きを少しづつ戻すために欠かせない期間です。 まずは白粥などからはじめ、少しづつ野菜や低脂質の肉・魚を取り入れたおかずを食べるようにしてください。絶食の期間が長かった場合、2~3日の回復期をつくるほうが胃腸への負担は少ないです。 ファスティングの注意したいポイント ファスティングを行なう際に注意したいポイントを解説していきます。 準備期・回復期はないとだめなの? ファスティングはどのくらいやればいいの? 発酵ドリンクはないとだめ? などが気になる方は要チェックです。 準備期、回復期を必ず設ける ファスティングを行なうときは、準備期と回復期を設けた方が良いです。 準備期は徐々に体を「食べない」状態へ慣らすための期間でした。そして回復期は徐々に「食べる」状態へ慣らす期間です。ファスティングによって食べない日々が続くと胃腸の働きもゆっくりになっています。いきなり元通りの脂質・たんぱく質の多い食事に戻せば、胃腸はびっくりしてしまうでしょう。 そのため、回復期はとくに大切。胃腸への負担を少しでも少なくするため、準備期・回復期はきちんとつくることをおすすめします。 長期継続は栄養不足になる可能性あり ファスティングを長期間継続すると栄養不足になる可能性があります。 ファスティング中は食事の代わりに野菜や果物から抽出した酵素ドリンクを飲む方が多いですが、体が必要な栄養素の多くは補えません。そのため、長い期間ファスティングをすると栄養素が足らなくなります。 ファスティングする際は目的に合わせ、最低限の日数で行ないましょう。ビタミン剤やプロテインパウダーなどと併用すると栄養不足は回避しやすくなります。 酵素ドリンクは「あれば尚よし」 発酵ドリンクは「あれば尚よし」です。用意できない場合は、野菜や果物でつくる手作りスムージーなどでも代用できます。 ちなみに、さまざまなダイエット食品が販売されていて、中には酵素ドリンクやファスティング中の栄養補給におすすめと宣伝しているものも。安価なものが多く試してみたい方もいるかと思いますが、購入前に必ず栄養成分をチェックしてみましょう。 砂糖やブドウ糖などを含むものがあり、ファスティングには向いていない商品もあります。効果をしっかり感じたいのであれば、原料が野菜や果物だけの純粋な酵素ドリンクがおすすめです。 専門家の指導のもとで行なうのが一番 ファスティングは断食をしながら最低限の栄養素を補うという難易度の高い食事制限です。知識がないまま実践するとデメリットも生じてくるので、専門家の指導のもとで実践することをおすすめします。 「今すぐファスティングにチャレンジしてみたい!」という方は、次に紹介するプチファスティングを試してみませんか?準備期や回復期などがなくても大丈夫なので、読み終わったその時からいつでも実践できます。 管理栄養士おすすめ!プチファスティングの方法 ファスティングを短期間行なうプチファスティングは、体への負担が少ないうえ発酵ドリンクも必要ありません。胃腸を休めるための時間も確保できるので、ファスティングのメリットも感じられます。 プチファスティングの詳しいやり方を確認していきましょう。 1日2食にする 1日に食べるのは2食のみにして、絶食の時間を長めに設けます。絶食の時間は16時間以上確保できるようにしましょう。 例えば、朝食を朝7時に食べたら昼食を12時頃に食べ、15時頃におやつとして軽食を食べたあとは何も食べない。この流れで16時間の絶食時間を確保できます。 このとき、「夕食をしっかり食べたい」「朝は食べなくても支障を感じない」ことから、朝食を絶食の対象にしてしまう方が多いです。しかし、朝食を抜くと心疾患や肥満のリスクを上げると報告している研究は数多くあります。 よって、管理栄養士としておすすめする方法は、朝食・昼食を食べて夕食を絶食するプチファスティングです。 食事を野菜スムージーに置き換え 1食をまるまる欠食してしまうのではなく、食事を野菜スムージーに置き換えるプチファスティング方法もあります。バナナや青菜をたっぷりと入れてジュース状にすれば、胃腸が少し働くだけでも消化・吸収されるので、負担の軽減につながります。 このとき置き換える食事も夕食がおすすめ。夕食のエネルギー摂取は、少量であっても体は問題なく働けます。 食事は消化の良いものを食べる プチファスティングを行なうとき、ほかの食事でも消化の良いものを食べるようにしましょう。いくらファスティングをしても、基盤にある通常の食事が不摂生のままではすぐに元に戻ります。 消化の良い食事は次のポイントを意識すると考えやすいです。 エネルギーは糖質でとる 脂っこいものは控える 素材の味を活かし薄味にする 肉は脂っこいので少しだけ、白身魚など低脂質な食材でたんぱく質を補います。味の濃い食事も胃腸には負担なので、薄味を心がけて。胃腸にやさしい食事を考えられると、ファスティングせずともダイエット効果を得られる方もいます。 カフェインや香辛料は控えて 味の濃い食事と同じことですが、カフェインや香辛料など胃腸に負担のかかる食材は控えましょう。 ファスティングの目的は胃腸を休めることです。刺激の強い食品の使用は減らして、毎日頑張っている胃腸を労わってあげられるとベターです。 プチファスティングはファスティングほど辛くはありませんが、短期間での減量を望む方にとって、効果は少し物足りないかもしれません。そこで、ファスティングの効果を引き出すコツもお伝えします。 ファスティングの効果を引き出すコツ ファスティングの効果を引き出す4つのコツは次の通りです。 水分はしっかり摂る ビタミンB群のサプリメントを活用 ストレッチで体をほぐす 生活のリズムを整える 体は水分なしでは働けないので、代謝が落ちないようにしっかりと水分はしっかりと摂るようにしましょう。また、食事の量が減るファスティング中はビタミンが不足しやすいです。マルチビタミンやビタミンB群のサプリメントを併用し、ビタミン不足をカバーすることをおすすめします。 ほかにも、体を伸ばして筋肉に刺激を与えられるようにストレッチをしたり、生活のリズムを整えてメリハリのある食事を食べたり。4つのコツを意識すれば、ファスティングの効果は上がりやすくなるでしょう。 まとめ ファスティングについて紹介しました。大切なポイントをおさらいしていきましょう。 ファスティングとは「絶食」「断食」のこと 食事の代わりに栄養素が詰まったドリンクを飲むのはOK ダイエット・デトックス・胃腸の休息・食生活のリセットができる 長期間のファスティングはリスクがある プチファスティングは低リスクでおすすめ 胃腸にやさしい食事は減量効果もある ファスティング中も水分やビタミンは補給する ファスティングは、食べ過ぎてしまったり暴飲暴食が続いてしまったりしたときのリセットにおすすめです。また、ダイエットを始めるときに起爆剤として利用するのも良いでしょう。そのため、ファスティングは期間を決めて短期的に行ないましょう。健康な方であれば数日間のファスティングを行なうリスクは低いですが、基礎疾患のある方は必ず主治医に相談してから行なうようにしてくださいね。 [xyz-ihs snippet=”snippet-view-at-end”] Let’s SHARE!