メタボを解消するなら食事と運動を見直そう!【管理栄養士監修】 2022.08.16 ダイエット 体型改善 管理栄養士・幼児食マイスター kawano 健康診断などで「メタボですね」と言われ、ショックを受けていませんか? 放置してしまうと糖尿病や脂質異常症などの病気を招くメタボ。知らないうちに「動脈硬化」がすすんでしまうおそれもあり、できる限り早い段階で解消することが大切です。 この記事では、メタボの解消法について紹介します。即実践できる内容で、メタボの診断基準なども載せているので参考になるはずです。 健康のために自分を変えたい方は、ぜひチェックしてください。 メタボとは メタボはメタボリックシンドロームの略であり、内臓脂肪型の肥満をもとに糖尿病や脂質異常症など生活習慣病になりかけている状態です。動脈硬化が起こりやすく、心疾患や脳血管疾患を招くおそれもあります(※)。 平成16年の国民栄養健康調査では、40~70歳代の男性2人に1人・女性の5人に1人がメタボの予備軍であると報告されていました。10、20代の若い世代では「痩せ」が問題視される一方で、中年層ではメタボに注意が必要です。 「なぜメタボになることがそんなに悪いの?」と思っていませんか? 「お腹が出てるのなんか気にしないよ」「メタボでも今は元気だし大丈夫でしょ」なんて甘く見ている方も多いです。しかしメタボを放置すると、後悔する日が来てしまうかもしれません。 ※参考文献:厚生労働省「メタボリックシンドトームとは」 メタボは「万病」を招く メタボはさまざまな「万病」を招くリスクがあります。そのため、早い段階で解消する必要があるのです。 万病とは具体的にどのようなものがあるのか紹介します。 高血圧症などの生活習慣病(糖尿病・脂質異常症・高血圧症) 動脈硬化 心疾患 脳血管疾患 腎臓病 肝臓病 膵臓病 メタボは内臓脂肪が増えることで栄養素の代謝が上手くできなくなり、生活習慣病を発症することからスタートします。放置することで血液の状態が悪くなり、血圧が上がって動脈硬化が起こりやすい状態になる。結果、血管や各臓器に負担がかかり、さまざまな病気が起こるようになります。 リスクが大きいメタボですが、あなたは大丈夫ですか?診断基準をチェックしてメタボ具合を調べてみましょう。 メタボの診断基準をチェック メタボの診断基準は以下の表の通りです。 必須項目 (内臓脂肪蓄積) ウエスト周囲径 男性 ≥ 85cm 女性 ≥ 90cm 選択項目 ※2項目以上 1 高トリグリセリド血症 かつ/または 低HDLコレステロール血症 ≥ 150mg/dL < 40mg/dL 2 収縮期(最大)血圧 かつ/または 拡張期(最小)血圧 ≥ 130mmHg ≥ 85mmHg 3 空腹時高血糖 ≥ 110mg/dL ※参照:厚生労働省「メタボリックシンドロームの診断基準」 メタボは過剰な内臓脂肪が原因で起こるので、ウエスト周りの値が必須になります。女性であれば90㎝以上なので、一度ご自身でもチェックしてみてください。 そのうえで、血中脂質や血圧、血糖値の値のうち2項目で対象となれば、メタボと診断されるのです。 メタボではありませんでしたか? 「私メタボだった…!」と焦っている方は安心してください。 メタボは自分自身で解消できます。 メタボは食事と運動で解消できる メタボは食事や運動の改善によって解消できます。 メタボは内臓脂肪によって起こるとお伝えしました。つまり、内臓脂肪を減らすことができれば、メタボのリスクも軽減されます。 またメタボの診断基準になっている中性脂肪や血圧、血糖値などは、食事を整え運動をすると改善されることが多いです。とくに中性脂肪や血糖値は食べ過ぎによって上昇しやすいので、食事をバランスよく食べればほとんどの場合で良くなります。 では、具体的にどのような「食事」や「運動」で解消できるのでしょうか?生活面でのポイントも含めて、くわしく解説していきます。 メタボ解消法【生活編】 メタボを解消したいのであれば、生活面で次の2つを意識しましょう。 体重を測る 食べたものを記録する 順番に説明します。 体重を測る 体重は自分の体の状態を把握する大切な指標になるので、毎日測るようにしましょう。 メタボを解消するためには、自分の体と向き合うことが大切です。体重を測るようになると、「ラーメンを食べた次の日は体重が増えるな」「ケーキを食べると数日後に体脂肪が増える気がする」など、自分の体重の変化を把握できるようになります。 自分で自分のことを客観的に見れば、食事も改善しやすいです。 体重を計測する時間は朝起きた直後がおすすめ。食べたものに影響されにくいので、体重の管理もしやすいです。 食べたものを記録する 食べたものはすべて記録していきましょう。何を食べたか記録して「なんとなく食べる」ことを減らすようにします。 内臓脂肪が増えてしまった原因は、エネルギーの摂り過ぎ、つまり食事の食べ過ぎがほとんどです。自分に合ったエネルギー量の食事であれば、太ることはまずありません。 そして食べ過ぎる方の多くは、なんとなく食べていることが多いです。「口さみしいから」「目の前にあるから」となんとなく食べ物を口にしていませんか? 自分で食事を管理するには、食べたものをすべて記録するのが一番効果があります。 メタボ解消法【食事編】 食事編では、以下の4つを意識してみてください。 食べ過ぎない 魚も食べる 毎食野菜を取り入れる 飲み物は水かお茶にする メタボを解消するためには食事の改善はとても重要です。それぞれ理由をお伝えします。 食べ過ぎない メタボを解消するためには、食べ過ぎないことが非常に大切です。 食べ過ぎているということは、多くの場合でエネルギーも摂り過ぎているということ。エネルギーの摂り過ぎは肥満のもとです。メタボを解消したいのであれば食事は食べ過ぎを避け、腹八分目を意識しましょう。 またお腹がはちきれそうになるまで食べるのは、体にとって大きな負担です。糖質・脂質・たんぱく質など栄養素を摂り過ぎれば、代謝をしている肝臓や膵臓は疲れてしまいます。 「食べたい」という脳の欲求に負け、胃や腸を痛めつけるのはやめましょう。 魚も食べる メイン料理の主菜では、魚も食べるようにしましょう。肉ばかり食べていると体脂肪の原因である飽和脂肪酸が溜まってしまい、メタボを招きやすくなります。 一方の魚は不飽和脂肪酸が多いです。なかでも、肉には含まれないオメガ3脂肪酸が摂れる点は、魚を食べてほしい理由のひとつ。オメガ3脂肪酸は脂質の代謝をサポートするので、メタボを解消する食事に積極的に摂りたい栄養素になります。 毎食野菜を取り入れる 野菜は毎食食べられるように工夫しましょう。 野菜を食べるべき理由は次の通りです。 血糖値を急激に上げないため 脂質の吸収を緩やかにするため メタボでリズムを崩しやすい血糖値や血中脂質をコントロールするには、野菜は不可欠です。毎食しっかり食べられるよう意識することをおすすめします。 飲み物は水かお茶にする シンプルに水分だけを摂れるため、飲み物は水かお茶を飲むと良いです。 ジュースや牛乳でも水分は摂れます。しかし糖質や脂質を含むため、意図せずカロリーの摂ってしまうこともあるのです。 純粋に水分だけを摂れる水やお茶をおすすめします。 メタボ解消法【運動編】 最後に運動編では2つの項目を紹介します。 週に3、4回は有酸素運動 筋トレは無理のない範囲で メタボの解消に運動は欠かせません。順に確認していきましょう。 週に3、4回は有酸素運動 週に3~4回ほど有酸素運動を取り入れるようにしましょう。 少し息が上がるくらいのペースで運動をすると、体脂肪は効率良く分解されてエネルギーとして利用されます。そのため、ウォーキングや踏み台昇降など強度の弱い運動がおすすめです。 毎日しなくても、週に3回を目安に行なうこと。30分程度のウォーキングなどの有酸素運動で余分な脂肪を燃やしましょう。 筋トレは無理のない範囲で 筋トレも体脂肪を減らすために有効的です。無理のない範囲で行ないましょう。 筋トレ後の体は、回復するために脂肪を使ってエネルギーをつくりだします。筋トレを行えば有酸素運動のように体脂肪を減らせるでしょう。 また単純ですが、筋肉が増えれば筋肉を動かすときに使う消費エネルギー量も増えます。筋肉が増えるとエネルギー源である糖質も利用されやすくなるので、血糖値のコントロールにも前向きに働くようになります。 メタボを解消する方法は以上です。最後にメタボを解消するときのポイントをお伝えしますので、ぜひご覧ください。 ゆっくり減量することが大切 メタボを解消するためには、生活習慣・食事・運動の側面からアプローチしなければいけません。大変そうに感じるかもしれませんし、早く減量しなきゃ!と焦ってしまう気持ちもあるでしょう。 しかし、メタボを解消するためには急激な変化は望まなくて大丈夫です。 食事バランスの不良と運動不足で時間をかけてメタボになったのですから、同じくらい時間をかけてゆっくり減量していけるようにしましょう。 目安としては、1か月1キロペースです。ゆっくり焦らず、メタボを解消していきましょう。 まとめ メタボの解消方法について紹介しました。大切なポイントを復習していきます。 メタボは内臓脂肪によって引き起こされる メタボを放置するとさまざまな疾患リスクが上がる メタボの解消は内臓脂肪を減らすことが大切 体重や食事を記録する 魚や野菜をしっかり食べる 有酸素運動や筋トレもする メタボを解消するならゆっくりと減量する メタボは肥満からさまざまな病気を引き起こす怖い状態です。今ここでメタボを解消していかなければ、もっともっと大変なことになります。 例えば、医療費が数倍に膨れ上がったり、食べてはいけない食材が出てきたり。「今は何ともないから何もしなくて大丈夫」ではなく「何も症状がないうちに手を打って、これからも元気に過ごそう」と思えることが大切です。 食事や運動など自分のできる範囲で取り組み、メタボの解消に向けて頑張っていきましょう。 [xyz-ihs snippet=”snippet-view-at-end”] Let’s SHARE!