玄米を食べ続けるメリット・デメリット【管理栄養士が分かりやすく解説】 | RE:NOW

玄米を食べ続けるメリット・デメリット【管理栄養士が分かりやすく解説】

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管理栄養士・幼児食マイスター

kawano

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健康やダイエットに良いと聞く一方で、「食べ続けると体に毒」など黒い噂も耳にする「玄米」。

ずっと食べたら体にどのような影響が出るのか不安ですよね。

この記事では、玄米を食べ続けるメリットとデメリットを分かりやすく解説します。

これから食事に玄米を取り入れたい方も好きでずっと食べている方も、ぜひ参考にしてください。

玄米を食べ続けるメリット5つ

玄米を食べ続けるメリットは5つ考えられます。

  1. 血糖をコントロールしやすくなる
  2. お腹の調子が整う
  3. 糖質・脂質の代謝がサポートできる
  4. 満腹感を得られやすくなる
  5. 減塩がすすみやすい

いずれも白米を玄米に置き換えることで得られるメリットとお考えください。確認していきましょう。

メリット1.血糖をコントロールしやすくなる

玄米は白米に比べて血糖値をコントロールしやすいと言われています。食物繊維の量が多いからです。

玄米と白米の糖質・食物繊維量を比べてみましょう。

糖質量(g) 食物繊維量(g)
玄米 58.1 2.4
白米 62.6 0.5

※お茶碗一杯(170g)あたり

玄米と白米の糖質量は大差ありませんが、食物繊維の量が5倍近くあります。

食物繊維を含む食品は血糖値の上昇が緩やかなため、インスリンの分泌量も増えすぎず、血糖値のコントロールがしやすいのです。

インスリンの分泌が正常になると体脂肪も増えにくいため、玄米は白米よりもダイエット向きと言えます。

メリット2.お腹の調子が整う

玄米はマグネシウムや食物繊維を豊富に含むため、腸の働きをサポートします。結果、お腹の調子が整いやすいです。

同じく、白米の量と比べてみましょう。

マグネシウム(mg) 食物繊維量(g)
玄米 83 2.4
白米 12 0.5

玄米は白米の約7倍のマグネシウム約5倍の食物繊維を含みます。

マグネシウムは便を柔らかくする作用があり、腸内の移動をスムーズにします。また食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。

両者の働きにより、排便のリズムが改善し、お腹の調子も整いやすいのです。

メリット3.糖質・脂質の代謝がサポートできる

糖質や脂質などの代謝をサポートするビタミンB群が豊富なのも、玄米と白米の大きな違いです。

どのくらい違うのかチェックしていきましょう。

ビタミンB1(mg) ナイアシン(mg) ビタミンB6(㎎) パントテン酸(㎎) ビオチン(μg)
玄米 0.27 4.9 0.36 1.11 4.3
白米 0.02 0.3 0.03 0.43 0.9

いずれのビタミンも、糖質・脂質・たんぱく質(アミノ酸)からエネルギーを作りだす代謝に関わっています。

玄米の方が、栄養素を体の中で上手に利用しやすいのです。

メリット4.満腹感を得られやすくなる

玄米は食物繊維が多く歯ごたえがあるので、噛む回数が自然に増えます。噛む回数が増えれば食事にかかる時間も多くなるほか、満腹中枢も働くので満腹を感じやすくなるのです。

白米に比べて満腹を感じやすくなれば、適量でご馳走さまができるようになります。続ければ食事の量が整うため、気付かないうちに体脂肪が減っていた、なんてこともありうるでしょう。

メリット5.減塩がすすみやすい

玄米は味がしっかりしているため、薄味のおかずでも美味しく感じます。これまで濃い味の食事を食べていた方は、無理なく減塩ができる点もメリットのひとつ。

日本人の塩分摂取量は、1日あたり10g前後が平均です。健康を意識すると塩分量は6-8g/日と推奨されているので、少々摂り過ぎていますよね。

玄米に置き換えて減塩ができれば、体の浮腫みも軽減され、血圧の調節やダイエットに対して良い影響があります。

以上5つをまとめると、玄米は健康志向の方におすすめの食品と言えます。

ただ、皆が皆メリットだらけというわけではありません。食べ続けた場合、デメリットが出てくる場合もあります。

玄米を食べ続けるデメリット2つ

玄米を食べ続けるデメリットは2つ考えられます。

  1. 腸に合わない人もいる
  2. 食べ過ぎると内臓に負担がかかる

デメリット1.腸に合わない人もいる

玄米は食物繊維やマグネシウムなど、お腹の調子を整える栄養素を含んでいます。ただし、皆に合うわけではなく、腸に合わず体調を崩してしまう方もいるのです。

玄米を食べてみて、お腹が張る感じがしたり便が出にくくなったり、異変を感じたら無理に続けないでください。

ずっと続けることでガスが貯まるようになると、慢性的な便秘になる可能性があります。

デメリット2.食べ過ぎると内臓に負担がかかる

玄米は健康面でもダイエット面でもメリットが多い食品ですが、必要以上に食べれば内臓に負担がかかります。

白米から玄米に置き換えたからと言って、大量に食べるのはおすすめしません。

身長や体重など個人で差がありますが、玄米の適量はお茶碗軽く一杯程度が目安です。運動量の少ない方であれば、もう少し減らしても良いでしょう。

また「玄米は毒がある」という情報もありますが、適量食べる分には問題ありません。次章で詳しく説明します。

「玄米は毒がある」は考えすぎ

玄米に毒はありませんので、過剰に考え過ぎないようにしましょう。

ただ、どの食品にも農薬や土壌中の成分は少なからず含まれており、まったくのピュアな状態ではないことは確かです。

玄米の有毒な成分として挙げられるのが、農薬とカドミウム。どちらも大量に摂取し続ければ健康被害が出る成分なので、不安ですよね。

玄米は残留農薬やカドミウムの量を計測しており、基準値をクリアできなければ店頭に並びません。

つまり、市販されている玄米は安全性を確認されたうえで商品として並んでいます。

長期間、毎日食べてもリスクはないと認められているのです。安心して召しあがってください。

玄米の不安を払しょくできたところで、最後に玄米をダイエットに活かす方法をお伝えします。

※参照:厚生省「玄米のカドミウムについて」「食品の残留農薬について」

玄米ダイエットで痩せる3つのコツ

玄米ダイエットで痩せるコツは3つです。

  1. よく噛む
  2. たんぱく質・や鉄分がとれる料理と組み合わせる
  3. 水分をしっかりとる

1.よく噛む

玄米をよく噛むことで満腹中枢を働かせ、適量でご馳走さまができるようにしましょう。食べ過ぎを防ぐだけで痩せる方はたくさんいます。

また噛む回数が増えれば咬筋が鍛えられ、自然に小顔へ。顔が小さくなると周囲から痩せたと思われやすいので、一石二鳥です。

2.たんぱく質や鉄分がとれる料理と組み合わせる

玄米は糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促す栄養素が含まれているので、たんぱく質の多い食材と食べ合わせて効率よく補給しましょう。

また食物繊維が多くて鉄分の吸収を阻害しやすいため、鉄分をしっかり摂れるメニューを意識することもおすすめします。

鉄分は動物に多いヘム鉄と植物に多い非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が効率よく利用できるので、玄米を食べるときは赤身肉や血合い肉のある魚の主菜を用意してみてください。

3.水分をしっかりとる

玄米は食物繊維が多く、水分が少ない状態では腸内で滞ってしまう可能性があります。玄米ダイエットをするなら、水分をしっかり摂るようにしましょう。

できれば水かノンカフェインのお茶を1日1.5L前後飲めると理想です。小まめに飲むと体で利用しやすくなりますよ。

まとめ

玄米を食べ続けるメリットは、健康面でうれしいものばかりでしたね。ダイエットだけでなく、健康診断の結果に悩んでいる方にもおすすめです。

注意したいのは、玄米さえ食べればOK、とする考えです。玄米は薬ではないので、食べるだけで改善するわけではありません。

玄米の良さを活かしながら食事を整えていきましょう。

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本記事の執筆者

管理栄養士・幼児食マイスター

kawano

クリニックでの栄養指導を担当。ちょっとした栄養の疑問に答えるブログを運営。食生活の悩みに全力で答えられるよう頑張っています♪

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