16時間ダイエットのやり方!メリットと痩せるコツを管理栄養士が解説 2022.12.13 16時間ダイエット ダイエット ダイエット法 管理栄養士・幼児食マイスター kawano [xyz-ihs snippet=”google-adsence”] 効率よく体脂肪を減らし、体や肌の健康にも良いとされる「16時間ダイエット」。現役の医師青木厚さんが提案した方法で、実際に短期間での大幅な減量に成功しているようです。 「16時間ダイエットってどうやってやるんだろう?」 と、やり方が気になっている方も多いのではないでしょうか。 そこで今回、16時間ダイエットのやり方について紹介します。注意してほしいポイントや管理栄養士の視点からみた成功させるコツについても解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。 ※この記事は、16時間ダイエットの考案者である青木厚医師の著書『「空腹」こそ最強のクスリ』を参考にしています。 16時間ダイエットとは 16時間ダイエットとは、1日のうちに連続した16時間の絶食タイムを設けるダイエット法のことです。 8時間の間に食事を済ませるため、 エネルギーの摂りすぎ 食事のダラダラ食べ など、太る原因になる食べ方を自然と避けられるようになります。 また、16時間ダイエットにはほかの方法では得られない大きなメリットがあるようです。その秘密は「オートファジー」にありました。 オートファジーで細胞を活性化できる 16時間なにも食べないことで、体は軽い飢餓状態に入ります。このとき働くのがオートファジー(細胞の自食)。オートファジーが起こると不要な細胞やたんぱく質は分解され、アミノ酸として再利用されます。 オートファジーが定期的に起こることで、体に必要のない古くなったたんぱく質やウイルス、酸化された細胞細胞が減り、優先度の高い細胞がつくられていく。その結果、風邪や生活習慣病などになりにくくなります。 また、肌の老化を抑える作用も期待でき、若さを維持したい方にとっても大きいメリットです。 肌や体の健康を維持しながら、ダイエット効果を得られる16時間ダイエット。オートファジーをしっかり働かせるためにも、くわしいやり方を確認してみましょう。 ※参考文献:子どもたちに聞かせてあげたいノーベル化学賞 16時間ダイエットのやり方 16時間ダイエットのやり方は次の通りです。 食事は8時間以内に済ませる まずは2週間からスタート 食事はしっかりと食べる 間食はヨーグルト・ナッツがOK 飲み物はコーヒーがおすすめ それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。 食事は8時間以内に済ませる 16時間の絶食時間をつくるため、8時間の間に食事を済ませるようにしましょう。 はじめの食事から最後の食事まで8時間以内であれば、食べる時間は問わないとのこと。例えば、朝食を8時に食べたら、最後の食事は16時になります。夕食をしっかり食べたいのであれば、夕食の時間から逆算して食事を摂るようにすると良いでしょう。 自分のライフスタイルに合わせ、取り組みやすい時間で8時間以内の食事を設定してみてください。 食事は基本2食 16時間ダイエットでは、食事は基本的に2食になります。 食べられる時間が8時間しかないので、3食食べようと思うと約2時間間隔で食事をとらなければいけません。私たちはずっと食べ続ける生き物ではないので、現実的に考えて、2食食べられればベストです。 まずは2週間からスタート 16時間ダイエットをはじめたら2週間は継続するようにしましょう。体は急激な変化を嫌います。そのため、食事や生活スタイルを変えたとしても、すぐに痩せられないのです。 16時間ダイエットでは、8時間の間に必要なエネルギー量は食べるのが理想。16時間の絶食時間を何度も重ねることで少しずつ体脂肪を減らしていくため、2週間程度は様子をみることをおすすめします。 食事はしっかり食べる 8時間以内の食事では、しっかりと食べるようにしましょう。16時間ダイエットでは絶食の時間をしっかり確保しているので、食事まで制限してしまうと栄養素が不足してしまいます。 食事は次の2点を意識することをおすすめします。 一定量食べる 主食・主菜・副菜・汁物で栄養バランスを整える 16時間ダイエットでは食事量のキープができるのも嬉しいポイント。通常のダイエットよりも「食べられない」ことへのストレスは少ないはずです。 間食はナッツがOK 16時間の絶食中「お腹が減ってどうにも我慢できない・・・」というときは、ナッツであればいくらでも食べて良いそう。 著者の青木さんがおっしゃるには「ナッツは栄養価が高いから」ということです。確かにナッツは栄養価が高く、食物繊維・ビタミンE・ミネラルを含んでいます。どれも体にとって大切な栄養素ばかりですが、ナッツは脂質を多く含むのでカロリーが高い点に気をつけましょう。 たくさん食べてしまうと、カロリーを摂り過ぎてしまいます。いくらでも食べて良いのではなく、空腹を紛らわすために片手で一握りくらいを食べると良いです。 なお、ナッツについては以下の記事でわかりやすく解説しているので、興味のある方はご覧ください。 16時間断食のナッツは落とし穴!食べるときの3条件をチェック 飲み物はコーヒーがおすすめ 16時間ダイエットでおすすめの飲み物はコーヒー。以下のように、ダイエットをサポートする働きがあるからです。 脂肪燃焼を促す 血糖値の上昇を緩やかにする 利尿作用がある ただし、砂糖や牛乳は入れない方が良いです。なので、ブラックコーヒーがおすすめです。 なお、コーヒーについては以下の記事でわかりやすく解説しているので、興味のある方はご覧ください。 16時間断食とコーヒーは相性抜群?ダイエット効果を上げるポイントも解説 以上のやり方を参考にすれば、ダイエットの効果を得られます。 もしなかなか体重が減らないという方は以下の記事をご覧ください。きっと痩せない原因がわかるはずです。 16時間断食で痩せない原因と対策【管理栄養士が解説】 ところで、16時間の断食を行うとダイエット以外にもさまざまな効果があることをご存じでしょうか? ダイエットだけじゃない!16時間断食の3つの効果 16時間の断食はダイエット以外にも3つの効果が期待されます。 細胞の修復 内臓の休息 食生活のリセット 少し難しい言葉もあるので、具体的にどのような効果なのかを説明していきますね。 細胞の修復 絶食の時間を16時間設けることで、細胞の修復が行なわれます。 16時間の絶食によってはじまるオートファジーは、不要な細胞を分解し、必要な細胞を新しくつくるとお伝えしました。細胞とは、私たちの肌や髪の毛、筋肉・内臓などさまざまな部分のことです。 オートファジーをきちんと行なえば各細胞で代謝が促進され、アンチエイジングにもつながります。細胞の修復が一定期間で繰り返されることで体を健康な状態に維持できる、ということです。 内臓の休息 食べない時間を長く確保すると、内臓を休める良い機会になります。 食事を食べたあと、意識とは関係なく内臓によって行われる消化。実は消化には長い時間が必要だといわれています。 内臓での消化にかかる時間をチェックしてみましょう。 胃・・・2~4時間 小腸・・・7~9時間 大腸・・・12~24時間 参考:『腸のトリセツ』 このように、私たちが休んでいる間も内臓はずっと働き続けているのです。3食+間食を食べる生活をした場合、胃や腸はずっと働きづめになることが分かるはず。年齢を重ねるごとに内臓も疲労していると考え、少し休ませてあげると良いですね。 食生活のリセット 食生活をリセットしたいときにも、16時間ダイエットは活用できます。 暴飲暴食が続いてしまってとき、自己嫌悪に悩まされながらも同じように食べてしまう・・・なんて経験はありませんか?なかなか暴飲暴食から抜け出せない方は、必要以上に食べる習慣が身に付いている可能性があります。 そんなときは、絶食の時間を確保して食べることから離れる時間を作りましょう。16時間の長時間の絶食は、暴飲暴食の連鎖を断ち切りやすいです。 ただし、16時間ダイエットは万能ではありません。気をつけてほしい「落とし穴」についても紹介します。 16時間ダイエットの落とし穴 16時間ダイエットで気をつけてほしい落とし穴は4つあります。 リバウンドしやすい たんぱく質不足になりやすい 栄養バランスが崩れやすい 血糖や血中脂質が増える可能性あり 意識すればダイエットを成功させることにつながるので、詳しい内容もチェックしてみましょう。 リバウンドしやすい 16時間ダイエットは、元の食事に戻してしまうと簡単にリバウンドすると考えられます。絶食の時間を確保するために食事の回数を減らすダイエットですから、食べる量を元に戻せば摂取カロリーが増えることは理解していただけるはず。 16時間ダイエットで目標体重まで痩せられたあとは、食事の食べ方を工夫してみましょう。 例えば、 運動量を増やしながら食事を3食にする 16時間ダイエットを無理のない範囲で継続する などもおすすめです。ちなみに、考案者の青木厚医師は、減量を終えた今でも1日16時間の絶食を継続しているとおっしゃっていました。 たんぱく質不足になりやすい 食事の回数が減るため、必然と食事の量が減ってたんぱく質も不足してしまう可能性があります。 たんぱく質は筋肉や内臓、皮膚など私たちのさまざまな細胞をつくる栄養素です。たんぱく質が不足すれば細胞の合成がうまくいきません。すると体では筋肉を分解してアミノ酸を生み出し、新しい細胞を合成するために再利用します。 その結果、筋肉量が減って基礎代謝も減少。消費エネルギーも低くなり、痩せにくい状態に近づいてしまうのです。 栄養バランスが崩れやすい たんぱく質だけでなく、栄養バランスが崩れやすい点も気をつけたいポイントです。 16時間ダイエットでは、これまで3食に分けていた栄養素を2食でしっかりと摂る必要があります。そのため、よりバランスの良い食事を食べ、エネルギーや栄養素を十分に補うことが大切です。 血糖や血中脂質が増える可能性あり 8時間以内の食事で「何を食べてもいい」と考えてしまうと、血糖や血中脂質が増える可能性もあります。 いくら全体の摂取エネルギーが適正でも、何を食べてもいいわけではありません。 次の2つの食事を例に考えてみましょう。 朝:絶食、昼:ハンバーガーとコーラとポテト、夜:チャーシューラーメン 朝:絶食、昼:サバの煮つけ定食、夜:野菜たっぷりの豚しゃぶ どちらも1300kcal前後ですが「栄養のバランス」で考えるといかがですか?1の方が脂質や糖質が多く、野菜が少ないと感じるのではないでしょうか? 糖質や脂質がメインの食事ばかりでは、血液の健康状態は悪化します。血液がドロドロになると代謝も落ちやすいので、16時間ダイエット中も食事の内容には気をつけましょう。 最後に、これらの落とし穴を考慮したうえで16時間ダイエットを成功させる4つのコツを紹介します。 16時間ダイエットを成功させる4つのコツ 16時間ダイエットを成功させる4つのコツは次の通りです。 食事のバランスは整える 間食で不足エネルギーを補う 軽い運動もプラスする 絶食は12時間~15時間でもOK 「今度こそダイエットを成功させたい!」という気持ちを叶えるためにも、ひとつずつ確認していきましょう。 食事のバランスは整える 16時間ダイエット中に食べる食事は、しっかりと栄養のバランスを整えるようにしましょう。食事を一回食べない分、2回の食事で必要な栄養素を補えるようにしたいからです。 食事のバランスは以下を参考にすると考えやすくなります。 主食、主菜、副菜を用意する 主菜で魚や肉、主菜の付け合わせや副菜で野菜や海藻 赤や黄色や緑など、いろいろな色が入るようにする また、なかなか食事のバランスが整えられない場合、酵素ドリンクやビタミン剤などの併用も検討すると良いです。使用するときは必ず商品の適正量を守るようにしてくださいね。 間食で不足エネルギーを補う 食事だけでエネルギーを補うのが難しそうであれば、間食で補給するようにしましょう。ナッツはもちろん、プロテイン入りのドリンクやフルーツなど、食事では補えない栄養素も摂れる食材を選べるとベターです。 ただし、間食は絶対に食べ過ぎてはいけません。不足しているエネルギーや栄養素を補うために食べると意識すると上手に間食をとれるようになります。 軽い運動もプラスする 16時間ダイエット考案者の青木厚医師も、絶食中に軽い運動をとりいれることをおすすめしています。理由は「オートファジーの活性化が促されるため」とのこと。オートファジーが活発に行なわれれば筋肉の代謝も良くなるので、ダイエットに対する効果も大きいでしょう。 ここからは管理栄養士としての話になりますが、単純に運動を行なって筋肉を使うことはダイエットに効果的です。摂取したエネルギーを使う場所は内臓や脳、そして全身の筋肉です。全身の筋肉を使う運動を習慣化すると、自然と消費エネルギーは上がります。 筋肉を維持すると血糖値のコントロールにも前向きに働くので、できる範囲の運動をぜひ行なってみてください。 絶食は12時間~15時間でもOK 16時間ダイエットは「絶食の時間を16時間設けること」とお伝えしましたが、難しい方は12時間~15時間でもOKです。オートファジーは12時間から働き始めますし、体に蓄えられている糖質や脂肪は絶食時間が10時間あれば利用されていきます。 よって、絶食の時間は12時間はキープできるようにすると良いでしょう。「食事は3食食べたい!」という方は、朝食6時・昼食12時・夕食18時がおすすめの喫食タイムになります。 まとめ 16時間ダイエットのやり方について解説しました。大切なポイントをおさらいしていきましょう。 16時間ダイエットは「絶食の時間を16時間設ける」のが基本 食事はできる限りバランスを整える 酵素ドリンクやビタミン剤も上手く利用 絶食時間中に軽い全身運動をする リバウンドしやすいので注意する 絶食時間は12時間以上で効果あり 16時間の絶食時間を確保することは簡単なものではありません。また、栄養士の立場からも、できれば食事は3食に分けてとってほしいです。 12時間何も食べないだけで私たちは古い細胞をリサイクルできます。19時までに食事をとれば、次の日の朝食までに12時間近く何も食べない時間をつくれる方が多いのではないでしょうか? できる限り夕食を早めに食べることから始めてみても良いですね。無理のない範囲でいいので、継続できる食事でダイエットに取り組んでみてください。 Let’s SHARE!